|
市内の全家庭と全事業所に合併特例債を利用して、最新式の1芯3波の光ケーブル網を敷設して、地上波、衛星放送波の再送信と自主放送サービスを提供するとともに、インターネット、IP電話、音声告知放送、行政チャンネルなどの多目的な活用を図る計画で、06年度より事業を開始し、09年度初頭から市内の全地域で供用開始する予定。
市は地デジ放送とブロードバンド環境の地域格差を解消し、市民負担の少ない方式で事業運営を目指す。
事業運営は第三セクター方式として、06年3月上野原市議会では、地元企業の(株)UBCに600万円の出資と、基盤システムの06年度工事費に9億3,660万円を議会決定した。
市は計画では、(株)UBCに基盤システムを10年間無償貸与する条件で事業委託する。
総事業費は約27億円、基盤システム以外は(株)UBCが負担する。
第三セクターによる民活利用の上野原市方式は、全国から注目を集めている。
一方、市の事業計画が進展する中で異論が噴出した。
新聞折込で、日本共産党上野原市委員会が、第三セクター方式、東京波のデジタル視聴の問題点、総計13億円の税金投入などに疑問を示し、市の説明責任を追求した。
また、上野原市情報公開オンブズマン代表の新聞折込があり、上野原方式に反対する根拠の説明と市会議員に再考の要請を呼びかけた。
上野原市議会は、上野原市側の説明不足を理由に、6月の議会で特別委員会を設置して計画を再検討をすることになった。
その後、市から上記二紙の指摘をやわらかく解説し、市民の動揺iに配慮する形で、市の広報に折込みで7/1付けの “上野原市情報通信基盤 整備事業の取り組み”を全戸配布した。
また、H市議が新聞折込の広報紙で、オンブズマン代表氏の意見をフォローしながら、トーンダウンした基調で、市の計画案についての疑問点と市議会の対応を解説した。特に、議員の反省として、3月議会で何ら疑問も感ぜず質問もせずに市の計画案を鵜呑みにして予算決定したことに関して、「このことは、行政のチェック機関である議会の役割を放棄したものであり、議員として誠に慙愧に耐えないところです」と言及している。
他方、6月26日に総務省は「次世代ブロードバンド戦略2010案」を発表し、2010年度に世帯カバー率100%を目指す方向を示した。民間企業の投資効率の悪い地域について、地方公共団体が光ファイバーを設置した後に民間事業者に開放などの措置を講じる方針が明記されて、地域格差の解消と市民負担の軽減と第三セクターによる街づくりを目指す上野原市方式の先進性が裏付けられたと理解できる。
7月7日に上野原市議会の第一回情報通信基盤整備事業特別委員会が開催された。市側が光ケーブル網敷設事業の概要を説明した。また、追加予算の5億円の内容についての説明を受けた。5億円は、総務省などの指導により、市側の工事分担でONU(※1)部分が増加したことによる。工事費の総計は18億円になる。市側の負担分が増え、(株)UBC負担分が減るだけ、市民負担の使用料金は軽減することになる。
(※1)ONU 光信号と電気信号を変換し、テレビやパソコン、電話などを接続するための装置。加入者宅の外壁などに設置される。ISDNにおけるDSUのような役割を果たす。
7月16日の新聞折込で、上野原の市政を考える会のコモアの川田氏と奈良氏、他の有志一同で「誰が払うの? 『美食』の代償・・・ 私たち市民ですか?」 と市民に問いかけがあった。内容的には、オンブズマン氏の折込文書の追加記事で、政治闘争的なニュアンスもある。いずれにしても、上野原市の光ケーブル網計画に反対する意見として参考にはなるが、営業妨害や名誉毀損のフライング気味の文面が気にかかる。
7月16日の夜間に、日本共産党の上野原市委員会発行の上野原民報7月号が郵便ポストに投げ込みで入った。
市議会が市当局の光ケーブル網計画の説明をわずか10分程度で終了し、議決に至ったことに言及している。
この議員もまた、チェック機能を喪失した議会の姿を、市当局の説明不足に責任を転嫁している。議員資格の限界を感じさせられた。来月号の釈明が待たれる。
7月26日にオンブズマン氏の第2弾の新聞折込が入った。第1弾の内容を整理整頓し、補足説明を増やし、読みやすいようにしてある。趣旨は夕張市を引き合いに出して、市の借金の増加を懸念し上野原市の光網計画に反対している。奈良市政を批判するだけで、代替案の提案もなく、上野原市の将来像の展望が皆無である。ブロードバンド時代の理解不足が見えるだけに、オンブズマン氏に限界を感じざるを得ない。
8月10日に上野原市議会は臨時議会を開催し、奈良市長が提案する3億2623万円の情報通信基盤事業費の追加予算を賛成26反対5で可決した。上野原市の光ファイバー網計画は急速に進展することになった。
|